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工務店とハウスメーカー、戸建住宅を建てるならどっち?
工務店、ハウスメーカーの用語の定義とは?
住宅は一生の中でもとても大きな買い物です。それだけに、勢いや何となくで決めてしまうと後々で後悔してしまうことにもなりかねません。自分の理想、家族の希望、将来の展望などを総合的に考えながら、どのような家を建てるかを慎重に決めたいところです。
実際に家を建てる時は、設計、施工を行ってくれる業者に依頼することになりますが、その依頼先としてあがってくるのが、ハウスメーカーや工務店と呼ばれる業者です。どちらも聞いたことのある言葉ですが、それぞれにどのような違いがあるのでしょうか。そもそも、名称の呼び分けに、具体的な定義があるのでしょうか。
はっきりこういう定義という明確な線は、実は存在しません。しかし、一般的には全国規模で住宅の建築、販売を手がけているものをハウスメーカー、地域に密着し、比較的小規模で住宅を手がけているものを工務店と区分けするケースが多いようです。ただ、工務店と名がついていても、全国規模で事業展開を行っている会社もあります。なので、営業規模の違いは、そういう傾向があるという程度に捉えておくのがよいでしょう。
設計の自由度が高いのはどちら?
事業規模よりも、ハウスメーカーと工務店の違いを如実に感じられるのが設計の自由度です。住宅の間取り、設備、外観デザインなどについて、いくらでも自由に作ることができるのが、工務店です。もちろん出せる費用の範囲にはなってしまいますが、特注の下駄箱やこだわりのキッチンなどを作ることも可能です。
一方のハウスメーカーでは自由設計とはいっても、決まったパーツ、設備から組み合わせを選ぶ規格型と呼ばれるものが中心です。
ですが、工務店と呼ばれる業者でも、大手ハウスメーカーのフランチャイズ店として営業をしているケースがあります。このような場合は、規格型の設計になってしまいます。
工期や品質に違いはある?
実際にどのような工法、デザイン、規模にするかによっても左右されますが、大まかな傾向としてハウスメーカー、工務店を比較すると工期はハウスメーカーの方が早いようです。工務店の4〜4.5ヶ月に対して、ハウスメーカーだと3ヶ月ほどの工期になります。
この差は、ハウスメーカーの工法に理由があります。ハウスメーカーでは規格に沿った住宅のパーツを工場に作り、現場ではそれらを組み合わせてゆきます。
一方の工務店では、柱1本から作り始めることになるので、そこに工期の差が生まれます。凝った住宅を建てようとすればするほど、工期は長くなり、職人さんの拘束時間が長くなればそれだけ費用もかかります。
施工の精度に違いはある?
見た目はきれいだけど、わずかに隙間があったり、傾いていたり、そんな欠陥住宅は勘弁してもらいたいですよね。そんな施工の精度に関して言えば、ハウスメーカーの建材は工場生産で品質が安定しています。一方で工務店は、その工務店次第、職人さん次第なので一概によいとも悪いとも言えません。プロとしてしっかりとした仕事はしていただけますが、職人の技量の差は簡単には埋まりません。工務店選びの難しい点でもあります。
アフターメンテナンスの体制に違いはあるの?
大手ハウスメーカーは、保証体制も規格化されています。定期点検や何年保証のようなアフターフォローも制度化されており、仮に当時の担当者が異動、退職したあとでもきちんと引き継ぎされ、必要なフォローを受けることができます。工務店のアフターフォローは、工務店によって異なります。大手ハウスメーカー同様の制度を設けている工務店もありますし、特に制度化はしていなくても柔軟に受け付けてくれるところもあります。しかし、ハウスメーカーのように営業やフォローの人材が常勤していることは稀で、工務店の繁忙期だと対応が遅れがちになることもあるかもしれません。
結局工務店とハウスメーカー、選ぶならどっち?
工務店、ハウスメーカーにはそれぞれ長所、短所があります。大きく広告、宣伝に費用をかけているハウスメーカーに比べて、工務店は各々の特徴が見えにくいところに不安があります。しかし、よい工務店に出会うことができれば、きめ細かく相談、要望も調整してもらえ、理想のマイホームを作ることができるでしょう。
工務店は地域密着型が多いのが特徴なので、口コミを利用したり、ホームページの比較をしたりして丁寧に探すことが大切です。構造見学会や完成見学会を実施している工務店もあるので、足を運んでみるのもおすすめです。